急浮上するインフレと景気減速の両面リスク、有事の投資戦術は何か

金融

 ロシア軍のウクライナ侵攻は、一気に時計の針を60─70年前に逆転させた。1956年の「ハンガリー革命」や1968年のチェコスロバキアにおける「プラハの春」が、ソ連軍の戦車で蹂躙(じゅうりん)された当時への回帰である。
 相場的に注視すべきは、コモディティ価格の高騰が止まらない点だ。もし、「地政学的リスク」のみならば、湾岸戦争やイラク戦争当時を振り返っても分かるように、コモディティ高は一過性である。非鉄金属価格も高騰を続けている。銅、ニッケル、アルミ等は、典型的な景気敏感の性格を持っており、米国や中国の景況感とほぼパラレルな展開を続けてきた。ところが、世界的な電気自動車(EⅤ)化の大潮流によって、非鉄金属にはイノベーション対応需要が増大して来た。国際銅協会によると、EⅤは通常のガソリン車に対して4倍近い銅を使用し、ニッケルもEⅤ車載用電池の「正極材」として使用される。また、車体の軽量化にはアルミが必須とされており、通常の需要にEⅤ化需要が加わる形となっている。
 
 戦争は買いといった株式市場のジンクスは裏切られました。どうしてか、インフレは悪性インフレ・スタグフレーションだからと推測できます。今回はSDGsの取り組み最中に戦時下経済へと移ることになります。しばらく資源価格の高騰は続くと想定されますが、どこかで行き過ぎた投機マネーが抜ける時が来ます。その時は2008年型リーマンショックの再来が考えられます。今回の戦時下の投資戦略としては、時期を待つに限ります。下手に押し目と考え資金を入れると大きな暴落に巻き込まれてしまいます。
 また、2008年の様に米国10年債金利は0.25と利下げ余地がありません。この場で金融危機が到来してもFRBは泣きながら利上げを行っていくことになります。まさにドルの崩壊、グレートリセットに向けて終わりの始まりが始まっているのかもしれません。

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